1.相沢 光

4/6
前へ
/9ページ
次へ
「まぁまぁ、そうお怒りになさらずに」 なにが怒らずにだ。そもそもわたしは怒ってない。 「・・・それよりさ!また新しい情報手にいれたよ。聞きたくない?ねぇ聞きたいでしょ?」 「あぁ・・・うん聞きたい。冴子の情報いつも楽しみにしてるからね」 冴子こと飯島冴子の情報に対しての余裕は何処からくるんだか・・・ まぁ一応、相手の機嫌を損ねないように返事はしとくべきだね。 目の前で冴子が嬉しそうな笑顔をつくっているので直ぐわかる。単純な奴だ。 「今日はね~・・・最近ネットとかで微かに沸いてる『100円執事』のことだよ~。」 「100円執事?なに?100円で執事を雇えるの?」 「そそ。アタシもさ~最初は都市伝説とか只の作り話の類いだと思ったんだけどねー・・・どうやら本当に100円で雇える執事がいるみたいなんだー。しかも誰でもだよ?誰でも!」 「冴子、顔近い」 「ごめんごめん。興奮しちゃって。でさ・・・」 このあとも休み時間の間、ずっと100円執事のことについて頭にイヤほど叩き込まれた。 どうやら100円執事というのは、誰もが簡単に雇えるものではないらしい。 確かに100円で雇えるのは魅力的だけど、雇うまでの手続きが特殊みたいで・・・ まぁ私には関係無いか。 とりあえず授業受けてさっさと帰ろう。 空をみる限り、雲が嫌な感じで灰色チックに染まってるからね。 雨が降らないうちに帰らないと・・・
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加