第6章 闇が再び

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 私もあんなふうに閉じこめられたんだよね……。  女性は苦しげに呻いた。  だが、そんなことは無視して鍵をかけて去っていく。  私はその後ろ姿を睨み続けた。  憎くてたまらない……。何も悪いことはしていないのに……。どうしてこんな目に合わなきゃならないの……。理解できない……。  私は下唇を噛んで、憎しみを押し込んだ――。 * 「おい、出ろ」  冷たい言葉が上から降ってきた。  どのくらいここにいるだろう……? だいぶ月日が流れたように感じる。
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