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格は経済学科在籍で、将来は外資系の企業に就職したいと考えていた。
留美子は英文科在籍で、将来は英語力を生かした仕事に就きたいと毎日必死に勉強に励んでいた。
温厚で穏やかな格は、快活で発言力が高い留美子に惹かれていたのだが、彼女は男らしくない格に対して、全く興味がなく恋愛対象外だった。
現に留美子はキャンパス内では男をコロコロ変える男好きだという悪評が広まっており、彼女も自覚していた。
留美子の言い分では『女に利用される男が悪いのよ!』だそうで、同性や異性からも煙たがられていた。
それでも格は彼女が『自分を偽っている。』と思っていたそうで、留美子には普通に接していた。
大学を卒業後、二人はそれぞれ自分の希望した職種に就職した。
数年後、サークルの同窓会で二人は再会。
その場で意気投合したのがきっかけで留美子は格を『恋愛対象』としてみるようになり、交際がスタート。
二年後、留美子は自分の仕事が上手くいっている最中、妊娠していることを知り、かなり悩んだ。
仕事を取るか、子供を取るか。
格に相談すると『産んでほしい!』と少年のような笑顔を浮かべ、それを見て留美子は仕事を辞める決意をした。
世間でいう、出来ちゃった婚である。
双方の両親は納得がいかなかったようであるが、当人同士が幸せならばと諦めることにした。
それから七カ月後、瑠威が産まれたのだ。
最初の一年は留美子も自分の息子を目に入れても痛くないぐらいに愛情を持って育てていたが、やはり仕事大好き人間である彼女は、育児の合間を見つけては翻訳の仕事を入れていた。
最初は仕事の量を調整しながら育児と両立していたのだが、気付いた時には育児を放棄して仕事にのめり込んでいた。
当然、格や留美子の両親が怒り『瑠威を優先にしなさい!』と注意したのだが、彼女としては仕事もスムーズにいっていた時に退職したことが後悔していた部分もあり、育児を優先することが出来なかった。
二人で話し合った末、昼間は保育園に預けて仕事に復帰するということで解決したものの、子供がいないという理由だけで留美子は仕事人間に戻ってしまった。
これには格も参ってしまい、格の両親も激怒。
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