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何度も話し合った結果、瑠威は格の両親が面倒を見ることになった。
留美子の両親も孫の面倒が見たいということで、交互で面倒を見ることになったものの、やはり母親が恋しいのだろう。
預かる度に瑠威は『ママ!』と泣きじゃくっていた。
小学校に進学したのをきっかけに、瑠威は家に一人で過ごすことが多くなっていた。
格も仕事で忙しい中、息子のために時間を割いては授業参観や運動会などに参加していたが、留美子は一度も参加しなかった。
それが原因で二人は毎晩のように喧嘩が続き、瑠威は言い争う両親を見ては部屋にこもって泣いていた。
温厚だった格も父親の自覚を持ったことではっきりと物事を言うようになり、仕事ばかりをする留美子に注意をした。
それがプライドの高い彼女にとっては許せなかったのだろう。
口論の最中、留美子は格と瑠威の前で言ってはいけない言葉をぶつけてしまったのだ。
『私は好きで結婚して子供を産んだんじゃない!子供がいなければ良かった!あの時、中絶すればこんなことにはならなかったのよ!』
その言葉を聞いて、瑠威はショックを受けた。
同時に、格もこのままでは瑠威のためにはならないと思い離婚を決意。
瑠威が小学校を卒業したのを機に、二人は離婚した。
離婚後、留美子は荷物を持って家を飛び出した。
どうやら英語力を生かせる外資系に転職し、のびのびと日本と海外の往復の生活を満喫しているそうだ。
一方、格と瑠威は家を売り払い格の両親の元へ同居することになった。
祖父母はとても優しく、瑠威を本当の息子のように可愛がってくれた。
しかし、留美子から存在を拒否された瑠威は自然に他人との距離を置くようになってしまい、祖父母は胸を痛めていた。
格も自分が原因で瑠威に不憫な思いをさせてしまったと自分を責め、時間のある限りは瑠威と一緒に過ごそうと頑張っていた。
仕事と家庭を一生懸命に両立させていた末、格は体を壊して倒れた。
医者の診断では過労ということで、この時の瑠威は痩せ細っていた格に対して申し訳ない気持ちばかりが込み上げていた。
これを機に、格の両親が再婚相手を見つけようと奮起した。
やはり、瑠威には母親は必要だろうと彼らなりに思ったのだろう。
だが、瑠威からすればどんな人が親になろうが、留美子に捨てられた感が根強く残っているため、拒絶し続けていた。
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