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「………うぅ」
少し涙眼で後頭部を擦り自分の頭を直撃したボールを取ろうとボールを見るが、ボールはコロコロと転がって彪から遠ざかって行く。
『…何かめんどいな』
持ってた自分のバスケットボールを女子に渡そうと軽く砲丸投げ選手の様に構える。
「ほら…」
軽く助走をつけて投げようとすると…
「彪…」
何を思ったのか振り返り引き返した満が彪に声を掛けた。
「んな?…」
ちょっとビックリした彪は体勢を崩しながらブンッと大振りで女子目掛けボールを投げた。
「あ!」
「オ~…」
彪はハッと満は飛んで行くボールをただ見る。
凄い勢いで投げ飛んだボールは投げ返してと言った女子の頭を遥か上を通過し、体育館の二階の立ち見する場所に落ちた。
「…ち、ちょっとアキラ!」
飛びゆくボールをポカンと見ていた女子は我に返り彪を怒る。
「何なのよ!アレは!?返して!って言ったら明後日の方向に投げてどうすんのよ!」
「いや、まだ明日も…」
彪はちょっとバカなのか?
投げて二階まで飛んだ事に少し感動したのか、女子の怒って言った表現に対しまともに答えた。
「…!それは分かってるわよ!アンタ馬鹿!?」
かなりキレた口調にようやく気付く彪。
慌てて彪は「ゴメン!ゴメン!」と手を合わせ謝った。
「ボケッとしないでボール取ってよ!今日は私達女子がボールの片付け当番なんだから!」
毎週体育の授業の時は男子女子と交互に片付け当番が回っていた。
今週は女子が片付け当番だった。
「あ!悪りぃ…すぐ取ってきまーす!」
女子がブーブーと言ってきそうなのを止めるため、彪は体育館の舞台裏階段から二階へ行こうと考え舞台へ。
後ろを振り返り行こうとして、満が目の前に居てビックリし。
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