4282人が本棚に入れています
本棚に追加
/497ページ
ピピピピッと、目覚ましの音が響く。
俺は取り敢えず目覚ましを止め、
「……グゥ」
そして寝た。
「おいこら凪! また二度寝してんなあ!!」
ドンドンドンッと、自室の扉が強く叩かれ、渋々目を開ける。
そのとき、自室の扉も開いた。
「んぅぅ~……おはよう、けーちゃん」
瞼を擦りながら、部屋に入ってきた男、土本 慶哉―ツチモト ケイヤ―に挨拶をする。
黒髪に赤メッシュ美形の彼は、見た目通りそこそこの不良さんだ。
ただ力は強いのだが、自分からケンカはしない優しい子。
なのに見た目が怖いなどの理由から、友達が少ない、所謂一匹狼だったりする。
「もう七時半。お前に付き合って遅刻はごめんだ、急げ」
ふう、と溜め息をついて慶哉は言った。
っつか……
「七時半!? うっそマジごめん!!」
慶哉の言葉に驚き飛び起き、俺は急いで部屋を出ていった。
……そんな感じで、俺の最後の平和だった日は、ドタバタと始まった。
最初のコメントを投稿しよう!