第二幕 出会い

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そのとき、屋敷の中へと戻った姫君…紅子は慌てていた。 あのお方は誰だろうか。 紅子は自分のした失態に頭を悩ます。 そのまま琴を弾いてればよかった。 そしたら、この忌々しい姿をあのお方に見られなくても済んだのに……。 いまごろ、怒っていらっしゃるはずだ。 鬼を見てしまったと。 京で自分が何と呼ばれているかは知らない。 でも、粗方鬼とかあやかしとかそう呼ばれているだろう。 小さいころに何度か聞いた。 この近くを通る人がここには鬼が住んでいる。 雪河原大納言さまの大君を食い尽くした鬼がいる。 紅子はわたくしがその大君よ!!と叫ぼうとした。 しかし、蘭香がそれを許さなかった。 「姫様は隠された存在なのです。  あのような愚かなことに耳を傾けてはいけないです」 って言って……。
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