序幕

5/6
前へ
/100ページ
次へ
何故、あたしは紅香と離れて暮らしていたのだろうか。 そして、あたしを育ててくれたあの母親は一体誰なのだろうか。 舞香は紅香に聞こうと口を開けた。 しかし、聞くことを紅香によって遮られた。 「紅子姫の願い一つ叶えたり」 その言葉の意味は分からない。 しかし、とても切なく聞こえた。 紅子姫というのは誰のことだろうか。 そう思ったとき、舞香の体がぐらりと歪んだ。 「紅子姫と雅成さまの運命を知らないとこの神社では生きれないわ…。 舞子姫の生まれ変わりよ…」 舞香の耳にこの言葉が入ることはなかった…
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加