白鳥団長

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俺達は本部に着くやいなや手術室に直行した。 手術室に入ろうとスライドドアに手をかけたと同時にスライドドアが開いた。出てきたのは医療団員の団長だった。 『白鳥団長はどうなったんですか。』 すると、医療団員の団長は笑っているのか、悲しんでいるのか良くわからない表情を浮かべてこう言い並べた。 『安心して下さい!じっ‥‥‥‥もう峠は越えました。安心していいですよ。一ヶ月も入院すれば前のように仕事が出来るようになっています。』 噛んだのかわからないが、途中で言い直したのが少しきになった。まぁ、そんなのはどうでもよかった。皆、白鳥団長が無事だった事に手放しで喜んだ。 その日から入れ替わりで白鳥団長のお見舞いをかねて、その日の調査の報告にいった。そして、今日は俺がお見舞いをする日だった。お見舞いの品に果物を持っていった。白鳥団長の病室には果物が沢山置いてあった。違うものを持ってきた方がよかったなと思いながら今日の調査の報告をした。別にこれといった事もなかったので、この前の紅い斑点の話をした。 話を終えると白鳥団長は思った通りのリアクションをとってくれた。 『3分の1‥‥‥‥そんなに早く広がっているのか、あの斑点は!』 と、言うと眉間にシワを寄せた。 その行動に何故か違和感を感じた。普通に白鳥団長らしく振る舞っていたが、違和感を感じた。言葉こそは驚いた気持ちを率直に答えていた。俺が違和感を感じたのは表情だ。驚き、その後顔をしかめた。何故かぎこちなく感じた。人間的な表情変化の滑らかさがないような見えた。 まぁ、手術後だから傷口が痛んだんだろうとおもい病室を後にした。 一ヶ月後、地上調査にはほとんど進展はない。紅い斑点の広がりはほとんど変わらない。どうやら紅い斑点は三回に分けて一気に広がるらしい。あくまでじろんだが、まぁそんなこんなで進展が無いまま白鳥団長の退院日を迎えた。 『白鳥団長、おはようございます。やっと復帰ですね!』 『あぁ、張り切っていくぞ!これからはちょっと厳しくするからな!どうやらお前らは僕がいない間サボってたらしいからな!』 『サボってませんよ!毎日報告をしてたじゃないですか!』 『成果が上がらないんじゃサボってるのと同じじゃないか!?』 などとふざけた口調で言った。
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