黒球

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何が言いたいのかよくわからなかったが、『はい!』と、とりあえず答えた。他の団員も理解していないらしく返答したのは俺(スバル)を合わせたごく少数だけだった。そしてまた、淡々と話を進めていった。 『これからは調査の方法を変えたいと思う。数人でグループを組んでローテーションで回していこうと思う。各自数人とパートナーを組んでくれ。』 今までの発言からしてまたとんでもないことを言うんじゃないかとひやひやした。 『それと、さっき手を挙げた五名は私と六人でグループを組んでもらう。以上、質問がなければ解散だが、質問はあるか?』と、聞かれたが彼(白鳥)の気迫と目力に負けて誰も質問できなかった。 『質問がないなら解散だ。皆、お疲れ!明日から宜しく頼む。』そういうと彼(白鳥)は皆が帰るまで残って一番最後に帰って行った。本当によくわからない人だ。 『はぁー…』と、溜め息をついた時、同時に入口のドアが開いた。新団長の白鳥だった。 『君は確か僕と同じグループだったね。まだ帰らないのかい!?』会って数分なのに覚えているのかと少し驚いた。 『白鳥団長、ちょっと質問していいですか?』さっき、聞きづらかったので、ダメ元できいてみた。 『なんだ?ききたいことって?』快くとまではいかないがとにかく質問に答えてくれるらしい。 『白鳥団長は、なんでこの仕事をしてるんですか?』無謀だとはおもったが、そんなに熱心にやっていく姿勢、白鳥団長をそうさせる原動力に興味があった。 『君は全ての元凶の始まり、アイツについての本をよんだかい。』 『最初の数ページなら…。』微妙な返答をした。 『なら大丈夫だな。あの話は同じような話を見せ方を変えて繰り返しているだけなんだ。結局何もわからないといいたいんだ。』最後まで読まなくて良かったとおもっていると、白鳥団長は妙な間をあけてまた話をつづくた。 『本当にこれだけなのか?これだけしか情報はないのか?と思ったんだ。そして決め手は……この話はまた後でしようか。今日はもう寝よう。』 『は…はい。』何故しぶったのか気になるが、月もだいぶ昇っていたので今回のこの件は保留という事にした。
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