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お題:強さとはなんだろうか。
まあ正直な話そんなことはどうでもよくて。とにかく眠い。今日は眠い。限りなく眠い、何故だ何故俺はこんなにも眠い中強さを求めなきゃいけないんだ……!!
「つーわけで響(ひびき)、俺は強さより睡眠欲が大事だからさらばだ!」
「陽(よう)兄!姉貴がまた変なこと言ってんぞ!」
「こら有紀!
そこはさらばだ!じゃなくてサラダバーの方がいいだろ!?」
「はっ…!盲点だった……!!くっ、眠かったなんて言い訳に過ぎないか…っ」
「それがお前の爪の甘さだ有紀……いつ何時も気を張っていなければ…それでおしまいになるぜ…」
「俺も……まだまだだな…」
「違うだろーーーーーーー!!」
名は体を表すというかなんと言うか。朝から道場中に響の声が響き渡った。寧ろ親父ギャグみたいだ。カッコ笑い。
周りにいる門下生の男子達は朝飯に味噌汁が出るのと同じぐらい、当然のように俺等のやりとりを見て苦笑していた。
あ、やべ。朝飯を例えにしたら腹減ってきた。早朝稽古辛すぎるぜバカヤロウッ。
「有紀さん、師範と師範代は?」
「それを知りたくば俺の屍を越えてみろ!」
「遼(りょう)くん、お二人は?」
「えっと、父上と燦(さん)兄は今日はお昼にくるよっ!」
まるで俺への質問はなかったかのように門下生男子Aは遼に一言お礼を言って去っていった。くそう無視された辛い!!今日は良いことない日だ泣きたい!!
「うざ晴らしに陽兄に対決を申し込んでやる!!」
「おっ、いいな有紀。
よーし皆!!今日の朝稽古は俺と有紀の試合で締めだ!ちゃんと見とけよ!」
陽兄の一声に、おおお!と歓声が道場いっぱいになって、柔道の組み合いやら剣道のかかり稽古やらを早々に切り上げて全員が集まってきた。
ふっふっふ!!今日こそ新しく磨いた俺の新必殺技!!トルネードグレートなんとかエディションを決めて陽兄に勝ってやるぜ!
「よっし有紀!今日も戦い方は自由でいいな?」
「もっちろんだぜ陽兄!跪いた方の負けな!」
道着の帯を締めて、自分のツインテールの髪をきつく縛り直して、いざ!!
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