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良平は、家へと急いでいた。
数十分前、同僚から聞いた噂の真偽を確かめるためだ。
『「なぁ、知ってるか? 」
「何をだ? 」
「最近よぅ、指名手配中の犯人とかがさぁ、殺されてるつう話」
「あぁ、最近良くあるな。だが、そう珍しいことでもないだろ? 」
20年前、大戦の影響で増え始めた犯罪対策として、指名手配犯は殺してもある程度賞金が貰える、という狂った法律が確立されたからだ。
「違う違う、どうもよぅ、国際警察の特別捜査官が殺しの許可を貰ってるらしいんだ」
「んなもん、俺らにもあるだろう。犯人の殺害許可」
日本はもう、平和とも言えない国になっていた。
「まぁ、覚えとけ『ハッピーエンド』らしいからな、そいつのコードネーム」
国際警察の特別捜査官には、コードネームで呼び会うという決まりがあるらしい。どこの秘密組織だ。
「まぁ、覚えとくよ。じゃあな! 」
』
こんなことがあったのだ。
「しかし、物騒な話だよなぁ……あれ? 」
その視線の先に、一人の倒れた少女の姿を認める。
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