第一章 事件〈ハジマリ〉

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「で、これからどうするんだ? まだ、追われてるんだろ? 」 確かに、撒いただけであって、撃退した――しても新しいのが来るだけだが――わけでもない。 しかも彼女は今、体力がほとんど残っていないのである。 こんな状態で外を歩くのは『どうぞ捕まえて下さい』と言っているようなものだ。 「……よかったら、しばらくここに住むか? 居候一人くらいなら何とかなるし、警察の家にそんな怪しい組織が入ってこれるわけがねぇ。どうする? 」 「なら、よろしく頼むわ」 ちなみに、良平は100%善意で言っていたのだが、クエイカーが勘違いしかけたことは、ふせておこうか。
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