2人が本棚に入れています
本棚に追加
ため息をついて、良平は椅子に倒れ込む。
机の横にある写真立て。
そこに並ぶ写真に目を向ける。
「葉月…… 」
そこには、二人の男女――おそらく兄弟だ――が、二人並んで写っている。
「あの日からもう7年、か……」
おそらく、そこに写っている少年は良平なのだろう。
わずかながらに面影がある。
「葉月……どこにいるんだ……? 」
しばらく眺めたあと、良平は写真から目をはなす。
写真に隠された真実に気がつかぬまま。
写真に写るもう一人の少女、白河葉月の面影が、先ほど『クエイカー』と名乗った少女にも、わずかながらあることに、良平は気がつかなかった。
最初のコメントを投稿しよう!