第一章 事件〈ハジマリ〉

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「あっ、木下さん、ご無沙汰してます」 良平は、中年の刑事にあいさつをする。 「おぉ、白河クンか。久しぶりだな。……とすると、君が荒谷クンの交代か」 「ハイ、そうです」 「……ワシも、長年刑事をやってきたがな、ここまで酷い死体は初めて見たぞ。若いもんは見ん方がエエ。あれは、まだ現場に慣れんうちから見るもんとちゃう」 どうやらよっぽど酷い遺体らしい。 しかしこの刑事、東京で関西弁しゃべっているが、まわりの人は聞きづらいと思うのだが…… 「いえ、大丈夫です」 そう言って、良平は現場に向う。 「なら良いが……」
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