第一章 事件〈ハジマリ〉

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2067/4/7 AM11:28 [東京・警視庁本部] 「さて、今回の事件だが俺は全く同じ犯人だとにらんでいる」 いかつい警部が、いくつもの現場を撮った写真が貼り付けられた、ホワイトボードの前に立ち、言った。 「二宮警部、それは誰でも少し考えたらわかると思うんですけど……」 荒谷が手を挙げながら言う。ちなみに、荒谷は警部補である。 「じゃかしぃわい! 白河!! 事件の説明! 」 「えっ!? オレですか!? わかりました」 いきなり白羽の矢をたてられ、戸惑う良平。 「えーっと、最初の事件は 4/3 『新宿一番街』の路地裏。カツアゲしようと、獲物を連れてきた不良が第一発見者です」 「……なんて反応したら良いんや? 」 不良に同情する木下。 「次は 4/4 [新宿・三番街路地裏]で酔っ払いが第一発見者。ちなみに、ホトケを見て、一気に酔いが覚めたそうです」 乾いた笑いが部屋に起こる。 「三件目は 4/5 [新宿・新宿駅地下通路]第一発見者は、そこを住みかにしていたホームレスです」 「そして、最後に今朝の[新宿・大通り前の路地裏]に、通勤中の一般人が発見者です」
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