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きっと正面の壁が黄色じゃなかったら、赤ちゃんや花の絵が描かれてなかったら 竦み上がっていたとおもいます。
部屋の中央に これから赤ちゃんを取り出す為、自分が麻酔にかかる台があるんです。
その上にライトが、その向こうにも小回りのきく小さめのライトがありました。
とても寒かったです。
台に寝かされ、左手の人差し指がクリップで挟まれました。
体のあちこちに心電図を取る吸盤のようなものが付けられました。
右腕は定期的に自動で測る血圧計を付けられました。
髪は帽子の内側に全て入れました。
緊張を解す為と言って、腰に注射が打たれました。
時間に合わせて右足と左足をそれぞれの台に乗せました。
手術しやすいように専用の下着の位置を調整してました。
手術中、意識が無くても痛みを感じ、体が動く事もあるので手と足をそれぞれ余裕を持たせつつも固定されました。
怖くて不安でどうしようもなくて、早く麻酔にかかりたいとさえ思いました。
目が覚めると全て終わってる。
だけど、赤ちゃんは居ない世界。
訳も分からず、特に下半身が震えていました。
手足は冷え切って暖房をかけてくれましたが、もう一人の看護師さんが暑がっていたので、それが恐怖によるのか不安によるのか、本当に寒いからなのか判りませんでした。
物凄く喉が渇いているけど唾液も出なくて、口の中がカラカラになっていました。
やっと先生が来て、麻酔が導入されました。
看護師さんの声に続いて数を数えます。
目を閉じた方がかかりやすい気がしたので閉じました。
暗闇の中で次第に目が回り、「ナナ」までは言えました。
その後 記憶がありません。
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