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毛艶の良いグレーの手を眺めながらラピスは旅に出る前に言われた言葉を思い出していた。
「これから先、お前は様々な人に出会うだろう。中には危害を加えてくるやつもいるはずだ。
だかな、そんな中でもお前のことを信頼してくる奴はいるもんさ。
いいか。向けられた信頼には信頼で答えるんだ。
そしてそいつになにかあったら命を賭してでも助けろ。
それが仲間ってもんだ」
自分がレオの期待に答えたのは何でであろう。きっとそれは彼の神秘的な雰囲気に惹かれたからだろう。
彼を失望させたくなかっただけだ。
レオはそんな自分のエゴに信頼を寄せてくれた。なんでだろう、すごく嬉しいはずなのに心が重い。
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