一色目の軌跡*赤。

2/4

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ
俺には付き合い始めて 2年になる彼女がいる。 名前は楠千枝(クスノキチエ)。年は同じ25歳。まだまだ可愛いくて でもしっかり者の千枝が大好きだった。 「翔ちゃんー、ねぇ聞いてるの?」 「あーごめんごめん。何だっけ?」 「もぅー…明日何の日か覚えてる?」 「当たり前だよ。明日は俺と千枝が付き合ってちょうどニ年だろ?」 俺がそういうと膨れた頬がパァっと笑顔になる。 「うん!良かったー覚えててくれて♪」 「ばーか。そういうとこはちゃんとしてるよ」 そうは言ったものの 今の今まで千枝にプレゼントの一つもあげたことが無いのが現実… それでも文句一つ言わず俺の傍に居てくれた。 …だからこそ この2年という記念日は大事にしたい…。 けど どーすっかな…そうぼんやり部屋を眺めていると ふと一冊の本が目につく。 「あれ?これ前から持ってたっけ?」 「あーそれ?忘れちゃったの翔ちゃん?」 と また膨れた顔をする。 「まーしょうがないか…それね 翔ちゃんが初めてくれたプレゼントだよ!って言っても私が片思いの時だったから 翔ちゃんは何気になく渡したと思うけど。」 そっかー… でも確かまだまだ続きあったよな? …ー!!!
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加