二色目の軌跡*橙。

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季節も過ぎ去り 秋が深まる日。 「ねぇねぇ 今日なんか“あの場所”行きたい」 「そうだね久々に行こうか」 “あの場所”とは夕日が広がる川沿いだった 「なんか久々だね君斗とここ来るの」 「だな。ていうか梓(アズ)と会うのも久々だっつーの」 そう言いながら 近くの河川敷に座り他愛もない会話をする。 夕日もだいぶ沈みかけた頃… 「そろそろ帰るか 暗くなってきたしさ」 そう言って腰を上げた時… 「待って!!!」 梓が大きい声でわたしは立ち止まる。 「どうした?」 「お願い私の前に立って」 「え!?」 「いいから!お願い!!!」 わけもわからず梓の 前にたつ。 「んで なんなんだよ?」と顔だけそちらにむけようとする すると… 『ほら 見てよ。影がかさなった』 そう言って梓と俺の影がかさなる 「こんなけ…何か一緒にいるって感じがしてそれだけで嬉しいなーって」 ー…ふわっ なんだかすごく嬉しくて、梓を抱きしめた 「君斗?」 「じゃあ、夕日沈むまでかさなってよっか」 「うん…」 『夕日までとは言わず ずっと君とかさなっていよう』
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