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「別に茶化してるワケじゃない。お前はかわいい。TVに出すのが恥ずかしいだなんて、俺はちっとも思わない。カメラの前に送り出すのには完璧な状態だと言えるね。なら後は、局のメイクさんや、カメラマンやなんかが仕上げをして、それでやっとカメラを回すんだ。そうだな、お前にわかるように………バイクで説明すると、俺はキーを挿してセルを回してエンジンを掛ける役。TV局の撮影スタッフはスタンドを上げて、クラッチを繋ぐ役。最後にアクセルを回すのはお前。ってな所だ。ニュアンスはわかるだろ?」
「………なんとなく」
「ま、気張る程の撮影でも無いんだ。説教垂れるつもりもねーぇよ。へらへら笑って仕事してこい。リラックスリラックス。スタッフはお前を撮りに来てんだ。別に敵じゃねえんだぞ?気兼ねなくやりな」
「………おう」
「………拓海」
「ん………うん」
「こないだ、良い喫茶店見つけたんよ。終わったら二人で行こうな」
「………おう!」
………
敏腕でっしゃろ?
(これで、その喫茶店がちひろとのデート中に見つけた物じゃなかったら満点だったんだろうなあ)
一応自分でオチをつける。
「おはようござ………なにしてるんですか?」
「あ、律子さん、おはようございます」
「あぁ、おはようございますちひろさん………なにやってるんですかこれは」
「あ、これですか。律子さんもあるんじゃないですか?シュウさんに悪口言われた事」
「ああ、それでホワイトボードにこんな罵詈雑言を………」
語録。
「口悪いですけど、たまに味のある発言しますからねえ」
「まあ、そうかもしれませんけど………なんですか、この「息抜きの合間に人生やってんだよ」とか………ホントに言ってたんですか?まあ言いそうですけど」
「ええ」
「「日菜子はホントに残念だなあ」とか「うるせえぶち犯すぞ」とか………うわ、「かな子でチャーシュー作ったら甘そうだな」とかもう完全に悪口じゃないですか」
「言うこと言っててあの人気だから不思議ですよねー………」
「確かに………で、そこでブルーになってるのは、まさかシュウさんのこの発言を見て落ち込んでる人達ですか?」
「………ええ、まあ」
「………」
数十名。
「アンチエイジングは崖から一歩踏み出した女の最後の足掻き………ふ、ふふふ、そうよね………わかるわ………」
「鳩胸………鳩胸って………くっ」
他多数。
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