章タイトルとか考えてらんねえ

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「………」 バカじゃないよ? バカじゃないんだよね。 つまり、まあ (誰が誰に対してどんな気持ちなのか………なんてのは、さすがにわかるのよねえ………) 更にそれが惚れた張ったの話になると尚更なワケで。 だから、その気持ちを自分に向けている奴が多々居る、というのも、実は感づいてるワケで。 なら何故それを認めないか、と言われると、要するに俺がヘタレだからだ。 更に言うと、こっからまだ言い訳をしちゃうくらいのヘタレだ。 何が言いたいかって、まあ、つまりは確信が欲しいのだ。 好きだのなんだのってのは、やっぱり言われて始めて確信が持てる物。 それを得るまでは、あくまで俺の自意識過剰からは抜け出せない………と、思う。 好きって言われないと、こっちが好きになっても徒労で終わるかもしれないし、それはきっと辛い。 だから、知らんぷりを通すしか無い、という、悲しいまでのヘタレっぷり。 その点では、ちひろとの関係は俺にとっては非常に安心出来る。 両者共に認める、好き合ってる、付き合ってる状態。 好きって言われたし、好きって言った。 薄っぺらいかもしれないが、そんな恋愛感覚でも今の所やっていけてるからそれでいい。 裏を返せば、誰かに好きと言われたら俺もどうなるかわからない、という事でもある。 ………というか、そもそもちひろや小鳥さんは別として、アイドルに惚れられる理由ってが俺にはわからん。 だってプロデューサーだもの。 プロデュースしかしてないもの。 例えば、今隣の助手席に居る拓海だってそうだ。 拓海のアイドル活動を円滑な物にする為、保護者や学校に頭下げに言ったり、拓海の居た族に、拓海の邪魔にならないように拓海にアイドルやらせて下さいって頼み込みに行って軽く殴られたり殴り返したり、拓海の下宿の為に住む所探したり家具探してやったり一人暮らしで不便な所を多少世話してやったり。 そんな『普通』のプロデュースしかしてないし。 「なあ」 「ん?」 「なんかツッコミ入れたくなったから、一発殴っていいか」 「………いくらなんでも理不尽すぎるからやめて」 「………」ポスッ 「………」 軽いパンチが入った。 「………ちひろさんの言ってるのは、的確だと思うぞ」 「あ?………どれのことだ?」 「にぶちん」 「えー」 結局?
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