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老婆がいなくなるや否や窓を開け、真剣な表情で部屋の隅や畳の裏、調理場の隅々など、くまなくかつ念入りに調べた。
すると押入れの中、木製の薄い天井部分の一角が外れたので、そこに頭だけを入れる。
天井裏は開けた場所から光が漏れていて薄暗い。しかし薄汚れている訳ではなく、蜘蛛の巣などすらも見える範囲には見当たらない。
ふと外した天井板を見てみると、小さい茶封筒が置いてあった。
天井を閉め、窓枠に腰掛けて封筒を開く。
中に入っていたのは一枚の紙切れ。内容は書き置きのようなものだ。
『午後六時、里内の運河脇にある団子屋にて待つ。』
内容を一読すると封筒に戻し、居間の畳を引っぺがしてその裏に放り込んだ。
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