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通信が切れると、相棒は壁に沿って歩き出した。
「どうした?」
「見回りついでに小便だ。」
「あぁ、成る程な。」
いくら外より中の方が大きな紅魔館といえど、館の名に恥じない程に外見も大きい。その外塀ともなれば尚更大きく、更に周囲は正面側以外が殆ど森に囲まれている。
木々と塀の影に隠れ、相棒はすぐに姿を消した。
相棒の背中を見送ると、途端に眠気が戻ってきた。
どうせ誰も襲撃なんてしやしない。
彼奴が戻ってくるまで眠る事にしよう。
地べたに座り込み、徐々に意識を手放していく。
何処かで水桶をひっくり返したかのような水音が響いたが、彼の耳にはそれも睡眠を促す物となっていた。
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