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「この四週間の一連のテロだが、今後は本部及び五区合同で捜査を進める事になった」
会議室に集まった四人を見やって、ジョスはそう切り出した。
やはり、と思いながらレオンが問うた。
「本部の見解も、コヨーテによる犯行だと?」
「ああ」
ジョスが頷くと、今度はアガットが口を開いた。
「…指示を出しているのは、ハーヴェイ・オールビーという可能性は?」
「……!」
アガットの言葉にジョスは眉を寄せ、他の三人ははっとした顔になった。
「ない…とは言えんな」
ジョスは重い息を吐き出し腕を組んだ。
五年前スコルピオの協力の元に逮捕されたハーヴェイは、司法取引によって終身刑となっていた。
その身柄は現在アスロー区郊外のアスロー重犯罪刑務所に収監されているが、五年を経た今も彼は強い影響力を持っていた。
「しかし。仮にそうだとすれば、本部が相応の措置をとるだろう」
そう続けたジョスに四人が頷くと、彼はレオンに顔を向けた。
「スコルピオはどうだ?」
「今の所、目立った動きはありません」
問われてレオンは首を振った。
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