act.2

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降り止まぬ雨の中、ルカを乗せたセダンはスコルピオのカジノ…ヴィア・ラッテア前の駐車場に停車した。 傘を差した部下のケビンが後部ドアを開けると、ルカはゆっくりと車から下りた。 大きなシャンデリアが煌めく、全面ガラス張りのエントランスホールに足を踏み入れる。 カジノ場へ至る扉へ向かおうとしたその時だった。  ドガッ! ガシャアアンッ 爆音と共に扉が吹き飛び、エントランスホールを覆う全てのガラスが粉々に砕け散った。  「……っ!」 爆風で飛ばされたルカの身体は、雨に濡れたアスファルトに叩きつけられた。  「…く…うっ…!」 呻きながらどうにか身体を起こしたルカの、額と腹から鮮血が滴り落ちる。 腹部には、大きなガラス片がめり込むように突き刺さっていた。  「…ちっ…!」 激痛に顔を歪めてルカは舌打ちした。 下手に抜くのはまずい。 抜いた瞬間に大量出血を起こす危険がある。 ルカは溢れる血を押さえるように腹に手を当て、エントランスホールに目を走らせた。 原形を止めぬ程に破壊されたホールに、扉の下敷きになった血まみれのケビンが横たわっていた。
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