act.20

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   「この間撃たれたばかりだっていうのに、まったく血の気の多い奴だな」 呆れた顔で一人が言い、ケニーの肩を軽く叩いた。  「ほっとけ。…親父はいるか?」 顔をしかめたケニーは、ちらりとマーカスを見やって問うた。  「ん?…多分プレイルームだろう」  「…そうか」 腕時計を確かめ答えたメンバーに、ケニーはわずかに硬い声で頷く。  「………」 キーファーは歯噛みした。 ケニーやキーファーと共にいるせいか、彼らはマーカスを気に留める様子もない。  「余り新入りをかもにしないよう、お前から親父に言っといてくれ」  「分かった。…多分、無駄だと思うけどな」 ため息と共に言ったメンバーにそう答えて、ケニー達は再び歩き出した。 キーファーは険しい表情のままで胸を押さえた。 …ルカは、どこだ? 屋敷にいるのは分かるのだが、場所が掴めない。 神経が昂っているせいか、余計な人間の気配ばかりが波のように押し寄せてくる。 ルカの気配を追う事が出来ない。 それが一層焦りを募らせて、脈打つ心臓の音が耳鳴りのように響く。 プレイルームのドアを開け、三人は中へと入った。 奥のテーブルに近づくと、その一つに腰掛け数人の部下とポーカーに興じていたダリオが顔を上げた。
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