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「この間撃たれたばかりだっていうのに、まったく血の気の多い奴だな」
呆れた顔で一人が言い、ケニーの肩を軽く叩いた。
「ほっとけ。…親父はいるか?」
顔をしかめたケニーは、ちらりとマーカスを見やって問うた。
「ん?…多分プレイルームだろう」
「…そうか」
腕時計を確かめ答えたメンバーに、ケニーはわずかに硬い声で頷く。
「………」
キーファーは歯噛みした。
ケニーやキーファーと共にいるせいか、彼らはマーカスを気に留める様子もない。
「余り新入りをかもにしないよう、お前から親父に言っといてくれ」
「分かった。…多分、無駄だと思うけどな」
ため息と共に言ったメンバーにそう答えて、ケニー達は再び歩き出した。
キーファーは険しい表情のままで胸を押さえた。
…ルカは、どこだ?
屋敷にいるのは分かるのだが、場所が掴めない。
神経が昂っているせいか、余計な人間の気配ばかりが波のように押し寄せてくる。
ルカの気配を追う事が出来ない。
それが一層焦りを募らせて、脈打つ心臓の音が耳鳴りのように響く。
プレイルームのドアを開け、三人は中へと入った。
奥のテーブルに近づくと、その一つに腰掛け数人の部下とポーカーに興じていたダリオが顔を上げた。
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