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「どうした?ケニー、そのざまは?」
目を丸くしたダリオは椅子から立ち上がり、ケニーに歩み寄った。
「ははっ…すいません。シンディーの奴が、からまれちまって…」
ケニーは両脇を抱えられたままで、肩をすくめて苦笑する。
「…その身体で、助けようとしたわけか?」
呆れたように微笑って、ダリオはケニーの肩に手を置いた。
「………」
キーファーはケニーの腕を支えたままで、マーカスに目を走らせた。
…行動を起こすなら、いつだ?
今ここで、銃を抜くような真似はしないだろう。
自身も死ぬ覚悟で来たなら話は別だが、…恐らくマーカスにそんな度胸はない。
狙いは親父か、ルカか、あるいは両方か?
いずれにしろ、事を起こす前に何とか二人に知らせる方法はないか…?
キーファーは知らず顔を強張らせ、浅く荒い息をつく。
その様子に気づき目を細めたダリオが、マーカスを見た。
「…ん?…こっちの男は見ない顔だな?新入りか?」
ダリオは腕を組み、あえてゆったりとした声で問うた。
「ええ。俺を助けてくれたんですよ、名前は…」
やはり少し強張った顔で、ケニーが言いかけた時だった。
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