act.20

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   「どうした?ケニー、そのざまは?」 目を丸くしたダリオは椅子から立ち上がり、ケニーに歩み寄った。  「ははっ…すいません。シンディーの奴が、からまれちまって…」 ケニーは両脇を抱えられたままで、肩をすくめて苦笑する。  「…その身体で、助けようとしたわけか?」 呆れたように微笑って、ダリオはケニーの肩に手を置いた。  「………」 キーファーはケニーの腕を支えたままで、マーカスに目を走らせた。 …行動を起こすなら、いつだ? 今ここで、銃を抜くような真似はしないだろう。 自身も死ぬ覚悟で来たなら話は別だが、…恐らくマーカスにそんな度胸はない。 狙いは親父か、ルカか、あるいは両方か? いずれにしろ、事を起こす前に何とか二人に知らせる方法はないか…? キーファーは知らず顔を強張らせ、浅く荒い息をつく。 その様子に気づき目を細めたダリオが、マーカスを見た。  「…ん?…こっちの男は見ない顔だな?新入りか?」 ダリオは腕を組み、あえてゆったりとした声で問うた。  「ええ。俺を助けてくれたんですよ、名前は…」 やはり少し強張った顔で、ケニーが言いかけた時だった。
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