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マーカスが上擦った声を上げ、唸ったダリオとルカが険しい顔で銃を抜いた。
「…お前らの言いなりにはならない!」
「駄目だっケニー!そんな事をしたら、シンディーがっ…!」
吐き捨てるように言って引金に指を掛けたケニーに、立ち上がったキーファーが悲痛な声を上げる。
「…許してくれシンディー…!」
呻くように言ったケニーの頬を涙が伝った。
ガンッ ガンッ
ケニーの銃から放たれた二発の弾丸が、マーカスの胸を撃ち抜いた。
「…馬…鹿め…」
ごふっと血を吐き出しながら、マーカスが笑った。
持ち上げたその右手に、彼は何かのスイッチらしきものを握っていた。
「…もう…遅い…」
震えるその親指が、スイッチを押した。
マーカスがどうっと床に倒れた瞬間、
ピッ
小さな電子音が響いた。
その場にいた全員が、一斉に音のした方に顔を向けた。
…ケニーだ。
「…まさか…」
呆然と漏らしたケニーが、自身のボタンシャツを引き裂くように開いた。
「……っ!」
誰もが、一様に息を飲んだ。
ケニーの肩から脇へ巻かれた包帯のその胸の真上に、デジタルタイマー表示付きの小さな装置と爆薬が張りついていた。
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