act.1

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アーチャー事件で殉職したエイミー・オルコットに代わり特捜課に配属されたサラは、現在24歳で今年刑事となったばかりだった。 加えて彼女は特捜課課長であるジョサイア・コールマンの姪で、レオンやアガットとも親交があった。  「そうだ」  「ルカ・ベネディクトって、どんな男なの?」 レオンが頷くと、サラが重ねて問うた。  「…興味あるのか?」 マックスが少し顔をしかめて声を上げる。  「ちょっとね。…彼、レオンと兄弟みたいに育ったのよね?レオンと似てる?」 肩をすくめたサラが、身を乗り出しながら聞いて来る。  「似てない」 レオンが口を開くより先に、アガットが即答した。  「そうだな、全然似てない。ルカは傲岸不遜で、根性がねじ曲がってる」 彼の言葉を引き継いだマックスが、大仰にため息をついて首を振る。  「………」 レオンは何とも言えない表情を浮かべ、黙った。 酷い言われようだが、あながち否定出来ない。  「レオンは大雑把で、お人好しだからな」 腕を組んだアガットが言って笑うと、マックスとサラが吹き出した。  「…言えてる」  「確かに似てないわね」 顔をしかめたレオンが、アガットに恨みがましい視線を送った。  「誉めてないだろ…それ」
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