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サラは目を吊り上げて、レオンとアガットに詰め寄った。
「悪かった。本気にするな」
アガットが苦笑しながら、サラをなだめる。
「…目が本気だったわよ」
憮然と頬を膨らませたサラが、なお言い募ろうとした時だった。
「サラ!今夜俺と食事…行かないか?」
マックスが勢い込むように声を上げた。
サラだけでなく、レオンとアガットも目を見張る。
少し考える素振りをみせてから、サラは微笑って頷いた。
「いいわ」
「…やった!」
マックスが満面の笑みで拳をぐっと握ると、レオンとアガットは顔を見合わせた。
「案外、お似合いかもな」
満更でもなさそうなサラの様子に、呟いたレオンが何気なくアガットの肩にもたれかかった。
「……っ。そう、だな…」
アガットはわずかに身を強張らせて、レオンから視線を外した。
「………」
目を細めたレオンが何か言いかけた時、ガラスのドアが開き課長のジョスがオフィスへ入って来た。
「レオン、マックス、アガット、それからサラ」
足早にこちらへやって来ながら、グレーのスーツ姿のジョスは次々名を呼んでゆく。
「会議室に来い」
「はい」
硬い口調のジョスに促されて、四人はその表情を引きしめた。
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