耳を塞いで、なんにも聞きたくないの。

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現在、ことりは17歳の高校2年生、兄のはとりは24歳のフリーターだ。 高校は兄の近くを受験したため、実家からしてみれば県外にあたる場所に住んでいる。 兄の性格も生活も知っている両親はことりに見張りの役目もさせたかったようだ。 だが、そのお陰でことりははとりの行動を気兼ねなく問いただせる免罪符を手にしてしまった。 しかも、高校には二人が兄妹ということは知られず、バレンタインチョコを押し付けらることもないので、ことりは喜ばずにはいられない。 自分で作った物をあげるだけで良いというのは、嬉しくもあった。 何が悲しくて恋敵共のチョコレートを渡さねばならないのかと唇を噛みしめていたあの頃とは違う。 これが笑わずにいられようか。 「んーふふふ」 言った端から満面の笑みである。
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