ぼくのことなんてだれもわからない

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x月x日 きょう、はじめてがっこうにいった。 ままがいってた。 きょうからわたしはここですむのよって。 ままたちとはおわかれなのよ。 って。 まま、なんでわらってるの? x月x日 ママがわたしを学校にとじこめてから 一年がたった。 学校はとってもたのしい。 おともだちもいっぱいできた。 でもママ、ママに会いたい。 x月x日 今日でわたしは3年生になった。 おともだちもいっぱいになった。 みんなえがおで楽しいよ。 みんな、みーんなえがお。 でもママといっしょのが楽しいよ。 ねぇ、ママ早く会いたい。 ママ、ママ x月x日 今日、ママが迎えに来てくれるって先生がいってた。 もう4年生になったからいいんだって。 うれしいな、ママに会える ママにぎゆーってしたいな ママの笑ったかおが見たい 早くむかえにこないかなー x月x日 ママが私を迎えに来てから一年がたった。 今はママといっしょにくらしてる 学校で学んだ授業より 好きな友達と遊んだ時より ハンバーグ食べた時より ずっとうれしい。 うれしいよ、楽しいよママ なのになんで私の首をしめるの? x月x日 私はママと過ごした家をこっそりでた。 世間でいう、家出ってやつ。 少しワクワクしたけど、同時にママと過ごせなくなるのか、と思うと寂しい。 寂しいのに私はなんでおうちをでるの? 出たくないよ。ホントは。 でもママが私を殺して殺人の罪で逮捕されるよりはいい。 x月x日 晴れて今日で私は高校生になった。 うちの学校は小中高一貫だから メンバーの入れ替えは少なくてつまらない。 ママが私を殺そうとしてから5年がたった。 なぜ私を殺そうとしたのか理由はわからないし、興味ももうない。 ただ、一つだけ。 私はママに殺されそうになってから一つ変わった。 気づくのが遅かったから、もう手遅れだと言われたけれど どうでもいい 皆と同じ感情を持てなくなった私だけど、どうでもいい。 ママ、貴女のおかげで私は世界を嫌いになれました。 私には嫌いという感情なんてなくなったけど。どうでもいい
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