補佐官の休暇

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「ルースに確かめたいことがいくつも出てきました。今日はこれで失礼します。」 「そうか。まあ、またいつでも来なさい。」 「ええ、近いうちに。その時には、学長にも詳しく説明していただきます。」 ニコリとジャスティンは職務中によく見せるいかにも愛想の良い笑顔を見せる。 その言葉に学長は困ったように苦笑いで返した。 「すまないね。確固たるものがない以上、めったなことは言えんのだよ。」 「わかっています。ですが、僕はどうしてもこのままではいたくない。」 アンジェラほどのカリスマ性も、ルースほどの力量も無い。 それでも、ここまで上がってきた。 この地位も、ある種の“力”だ。 「魔道士は、常に正しくあるべきです。」 “魔道士”という存在にずっと抱き続けた憧れは既に砕けた。 過酷な仕事だ。 綺麗事ばかりでは済まされないことなど重々承知だ。 それでも、決してあってはならない。 踏み越えてはならない一線があった。 放置はできない。 魔道士とは、その特別な力を”正しく使える者”でなくてはならないのだ。 「ギルドに蔓延る膿は、僕が排除します。」 はっきりと言い放ったジャスティンに、学長は変わらず穏やかな笑みを向けていた。 「失礼します。」 見送る学長に礼儀正しく頭を下げると、ジャスティンはきっちりと学長室のドアから去った。
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