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『オッケー、入金も確認したよ♪ じゃあさっそく始めるけど、少し観光名所が減っても気にしないでねっ』  その言葉を言うと、出席者の携帯の着信音が鳴り始めた。  その内容は、北極点、南極点、太平洋、大西洋、チェルノブイリ、エアーズロック、グランドキャニオン、竹島に謎の光が発生したとのこと。それを聞くやいなや、画面に顔を向けた。 『それが、僕の作成した『ディメンションルート』。本当は次元の扉って付けたかったけど、ありきたりすぎるからディメンションルートにしたんだよ。  高エネルギーで次元の揺らぎを作り、揺らぎを波力発電で一定に保つ。……はずだったんだけど、強度や出力が予想外だった事から使い捨てになったみたい。これが何が起こるかわからないって言った原因。完全にこっちの手を放れるからねぇ。  で、これは二・三ヶ月で安定するから。原理はこっちの空気とあっちの空気が移動するって事なんだけど、あっちの生物なんかも移動できちゃうんだよ。ただし、3mを超えるものは行き来が出来ない。多分容量の問題だと思うけど。これが第二、向こうからの未知に備えなければならない。  しかも、船や飛行機などの動力付きや機械補正付きの武器は持っていけない。それで第三に、揺らぎは数年に一度大きな物が数日起こる。この時には移動制限がかなりなくなる。何が来てもおかしくない。  そして最後、――――』  絵付き、簡易説明付きの映像が右半分に流れる。  彼は説明に一息つくと最後の後を言う。 『ファンタジー、ゲームなどの空想であった魔法等が数年後使えるようになる。  こちらにはないエネルギー、言うなれば魔力に充てられ変質すると言うわけだ。稀に個別能力が付く時もある。僕なら、手放しでハッキングができるくらいの能力がある。これは試作していた段階で被(こうむ)ったものだ。  能力は単一ではなく、複数、そして多岐に渡る。小さな時に憧れたアクションヒーローみたいに、その敵みたいに変態することもあるかもしれない。これはまだ統計などサンプルが少ないのでまだ分からない』  参加者がそれを聞いて息を飲む。または潜め、荒げる。
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