序章 -裏の世界のお話-

3/7
前へ
/74ページ
次へ
四月に入ってまだそれほど日にちが経っていない 入学式を終えて間もなく、これから高校生活が始まる矢先。なぜ夜の街を化け物に追われ走らなければならないのか 疲れからか頭がボヤけ、まるで夢を見ているような感じになっていた。 「ダ…メ……だッ! がっ!」 足がもつれ、稲荷は盛大にズッコケる。 ドタンッ! と胸を強打し、肺の空気が一気に吐き出された。 もう、ここで終わりなのか 稲荷の思考は徐々に沈んでいく。 「(なんだよこれ…最悪だよ、こんな訳わかんねぇ終わり方……夢だよな…こんなの…こんな……)」 うつ伏せに倒れる稲荷を見下ろす位置まで、黒い巨大な塊が歩み寄る。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加