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四月に入ってまだそれほど日にちが経っていない
入学式を終えて間もなく、これから高校生活が始まる矢先。なぜ夜の街を化け物に追われ走らなければならないのか
疲れからか頭がボヤけ、まるで夢を見ているような感じになっていた。
「ダ…メ……だッ! がっ!」
足がもつれ、稲荷は盛大にズッコケる。
ドタンッ! と胸を強打し、肺の空気が一気に吐き出された。
もう、ここで終わりなのか
稲荷の思考は徐々に沈んでいく。
「(なんだよこれ…最悪だよ、こんな訳わかんねぇ終わり方……夢だよな…こんなの…こんな……)」
うつ伏せに倒れる稲荷を見下ろす位置まで、黒い巨大な塊が歩み寄る。
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