序章 -裏の世界のお話-

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「この辺りを荒らしてる小鬼。ようやく見つけたわよ私の生活費」 紺系のブレザーにチェック柄のプリッツスカート 長い髪をポニーテールに結ぶ、自分と同じ歳くらいの少女だった。 少女は吹き飛んだ小鬼がコンクリートの塀に叩きつけられるのを確認すると 左手を腰に当て、右の人差し指で小鬼に指し 「アンタ殺れば私の五日分くらいのお金になんのよ! 大人しくぶっ殺されなさい!」 高らかにそう叫ぶ。 歯を見せてまるで悪役のように笑っている少女に、稲荷はポカンと口を開けたまま唖然としていた。 「な、なな…なんだよこれ、なんなんだよオマエ!?」 「…あ? あぁ~人がいたの。ごめんちょっとだけ待ってて、すぐ…るから」 「え、今なんて……」
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