序章 -裏の世界のお話-

6/7
前へ
/74ページ
次へ
稲荷の問いに、少女はうるさいわねと面倒くさそうに首をコキコキと鳴らす。 「いいから、アンタはそこで寝ときなさい、あの小鬼仕留めたら次はアンタだから」 「いやアンタって! オレを殺す気かよ! オマエなんなんだよ! つか、あれ小鬼って、どこが小鬼なんだよ!」 「ホントうるさいわねぇ。私から見たら酒呑鬼(しゅてんき)以外みんな小鬼なのよ……」 少女は駆け出し、起き上がろうとする小鬼目掛けて勢いよく跳び上がる。 「だ~か~ら~……」 空中で一回転をすると、その右足を鋭く振り下ろし 「手間かけさせんじゃないわよッ!」 小鬼の脳天に、かかとを叩きつけた。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加