迷子

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俺もここまで考える奴はそういないだろうと思う。からこそ俺は言う。そうこうしてるうちに涙も止まったようだし過去を聞いていきますか! 「んで、ユグドラシエルの過去を教えてくれるんじゃないのか?時間かかりそうだし要点に絞って教えてくれるとありがたい。」 と頼むと思い出したのか、表紙がぱっと明るくなり語りだす。 「昔なこの世界には国1つ入るぐらいでかい木があった。今の聖都がある場所に世界樹ユグドラシエルがな。ユグドラシエルの周りは恩恵によりたくさんのいろんな生命がいた。そのなかに人や我ら等も含まれている。そして、ユグドラシエルに近づくにつれ恩恵は増える。動物は欲に忠実だ。何が言いたいかわかるだろ?ユグドラシエルの周りを争って自分だけのものにしようと争い始める。それから長い間争った。子供を作り育て闘えるようになったら争わせた。それに天上人様達は起こったんだろうな。雨が続くユグドラシエルの上から光が堕ちてきた。神々しくも残酷な光の柱だ。ユグドラシエルの周りで戦っていたもの達は皆ユグドラシエルと共に消滅した。そして、我らは争うのはやめそれぞれユグドラシエルから離れた。それでもいつかユグドラシエルが復活すると我らは思い監視者を置いて離れることとなった。監視者は力のない人。何故か?一人占めしようと思っても我らなら阻止できる。故に人を置いた。人は繁殖力。獣人は身体能力。エルフは魔力。シェリエは神聖力と特化しているのでな。ユグドラシエルから皆が離れ互いを牽制しあうのが今のこの世界だ。まぁ、人と獣人は上手くやれているようだかな。エルフとシェリエはプライドがあるのか仲良くはなろうとはせんようだが。まぁ、我もその1人なのだがな!がははは!」 と笑っているが過去はとても醜く悲しかった。欲というのはどこでも一緒だと再確認できた。だからといって俺はなにも出来ない。旅をする。ただそれしか出来ない。人は身の丈に合わない事をしたらそれは自分に必ず帰ってくる。良い事も悪い事も。だから身の丈のことしかしない。…心臓が終わる前ならしても良いかもな。 と考えていると奴の顔が目の前に。俺はびっくりして椅子ごと後ろに倒れて悶絶した。 「お、おい。大丈夫か?あとお前が何を考えているかは分からんが無理はやめとけよ?他人のことを考えての行動は自らを滅ぼすぞ?特に他人が人間等な。」
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