聖都ユグドラシエル

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「我からの忠告だ。人間を完全には信じるな。人間は味方をころころ帰る。突然敵になることもある。まぁ、旅で出会いや別れをすれば自ずとわかるだろう。自分の為だけに生きろ。分かったな?」 その言葉に考えられない程の重みを感じてゆっくり頷く。すると満足したのか奴は表情を緩め森へと足を向かわせる。 「何か行き詰まったらあの家に来い。話ぐらいきいてやるからな~」 と手を振りながら帰っていく。そんな奴に俺は礼を言う。 「ありがとう!旅の途中とか旅が終われば寄らせてもらうよ!」 と手を振る。そして、前を向き聖都に入っていく。 聖都入口に書いてある番号を覚え門番らしき人に名前と入門目的を聞かれて俺は素直に答えていく。 「名前はユウラ・アマミヤ。入門目的は背中の籠の中身の売却と旅支度の為」 と答えると番号札を持たされ「それを聖都から出るときにここの門番に見せ名前と入門目的を再度言って下さい」と言われ門が開かれ中に入る。 中はやはり広く、西洋風の建物がびっしりと並んでいた。そして中心らしき場所には大きな城が建っていて俺は感動した。 生の城だ!キャッスルだ!やばい感動! と入り口で感動していると後ろから 「何突っ立ってんの?邪魔だから端に退いて?」 と荷車を引いてる女性に言われ少し怒りそうになったが突っ立ってた俺が悪いと思い素直に謝る。 「す、すみません。聖都は初めてでして。あっと、ギルドはどちらにありますか?」 と女性に聞くと 「近いギルドならこの道の右側に建ってるから歩けばすぐ見つかるわ。少し遠いけどユグドラシエル城の近くのギルドだと治安も良いし少し高めに買い取ってくれるわよ?けど、貴族とかがいて入りづらいと思うけどね?」 と苦笑いしながら教えてくれ、礼を言って別れる。近場でも良かったが、やはり城の近くにギルドがあるのなら近くに行き城を近くで見たいのと貴族もみてみたいという好奇心で城近くのギルドに決定した。 あの女性の言う通り少し…いや、なかなか歩いて城近くのギルドに着いた。疲れたが、そこは好奇心で満たされているためすぐ気にならなくなった。そして、ギルドの両開きの扉をあけ中に入って行った。
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