退屈な世界

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「はぁ…。刺激的な何かが欲しい…。」 と、晴天の下で誰にも聞こえなさそうな声で呟いたのは俺、雨宮 優良(あまみや ゆうら)である。 会社近くの物静かな公園のベンチで1人弁当を食べながら溜め息を吐く なぜ1人なのかは、同僚が近くの飯屋に行くからで友達がいないわけではない!それは…それだけはないはずだ! それに、店の飯より自分の飯の方が安いし美味い。だてに高校生の頃から自分で飯は作ってきて食べては研究してきてはいない。 と、何故刺激が欲しいのかだった。それは簡単な話で仕事に行き金を稼いで家に帰ってきて寝るの繰返しに誰が魅力を持つ? ということで呟いてみた。 …俺は誰に弁解してるんだ? 「はぁ…」 2度目の溜め息だ。溜め息は幸運が逃げるって?じゃあ、刺激を下さい! 空の弁当に気付き手をあわせ「ご馳走さまでした」と言って弁当を片付けベンチから立ち上がる。 「また仕事か…。頑張るか~」 と言って会社に戻ろうと足を運ぼうとするが、公園の奥にある林の一部がもやもやと蜃気楼ぽくなってるのを見つけてしまった。 今は秋中盤。涼しく過ごしやすい。目の前に暑くもないのに蜃気楼。おかしくない? そう思った俺は目をキラキラさせながら近づく。刺激が欲しいという欲に忠実な俺はすぐもやもやの場所の前に立つ。蜃気楼なら近づくことが出来ないのにこれは近づくことが出来る! この時俺は凄く興奮していた。そして、何も躊躇もなくもやもやに入っていった。その後、その場にはもやもやは消えていた
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