第6章 Preparedness to die

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―… 「ハァ…ハァ…」 ―バタッ… あれだけたくさんいた辻斬りが、今ようやく片付いた。 ほとんど沖田が1人で片を付けた。 あたしは虫の息になった奴を払った程度…。 すごい…! 「沖田!」 ほらやればできるじゃん!! あたしは沖田のもとへ駆け寄った。 しかし駆け寄った瞬間… 「! 沖田!?」 沖田は力なく倒れかけ、あたしはそれを正面から抱き止めた。 「沖田…?」 すごい血…。 それにケガも…。 「……疲れた…」 小さく呟く沖田の声があたしの耳に届く。 沖田がそんなこというの初めて聞いた…。 「うん……ありがとう…」 頑張ってくれて…あたしを護ってくれて…。 「…お前のためじゃねぇ…局長のt…」 「分かってるし!」 あたしは沖田が歩けることを確認して肩を貸す。 そしてゆっくりと屯所に向かって歩き出した。 「…お前誰も死なせないっつったけど そんなのどうやってやるんだよ」 「……どうやるとかじゃなくて、気持ちの問題よ」 「はあ? てめ、これで局長に傷がついてたらぶっ殺すぞ」 「何よ。あたしが助太刀にこなかったら負けてたくせに!」 「負けてねぇ。あれから本気だそうとしてたんだ」 ったく… ボロボロのくせに口数は減らないんだから…。 「あ…」 その時ちょうど 透き通る純白オレンジ色の朝日があたしたちを照らした。 もう朝か…。 そういえば眠いかも。
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