第6章 Preparedness to die

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「…綺麗…」 「立ち止まるなさっさと歩け」 「アンタもちょっとは朝日に感動しなさい!!」 もうコイツは…!! この素晴らしい自然現象を見てなんとも思わないの!? あたしなんて今写メりたくてたまらないのに…!! なのにMyケータイがないせいで…。 「総司!! 里紅!!」 その時土方さん、山崎さん、その他の隊士たちがあたしたちを見つけて走ってきた。 …局長は!? 「お前ら無事かー!?」 「はい! それより局長は……うわぁ!!」 「里紅が生きててよかったぁ!」 あたしが局長について聞こうとした瞬間 土方さんは沖田をはねのけあたしに抱きついた。 ちょ、ちょっと…!! 「…痛ぇんだけど…」 土方さんにはね飛ばされた沖田は不機嫌な顔で睨んでいる。 いやあたしに怒らないで!! 「土方さん! 局長! 局長は!?」 「無事に決まってんだろ!!」 そう力強く言って笑った土方さんに あたしは本当にほっとした。 それは沖田も同じみたいでようやく表情が柔らかくなった気がする。 「沖田さん大丈夫ですか?」 「あぁ…なんとか」 そして山崎さんが沖田に肩を貸し再び歩き出したあたしたち。 「…ありがとな里紅」 帰り道突然そうもらした土方さん。 「え…何がですか?」 「里紅のおかげで色々考えさせられたってことがまず1つ。もう1つは総司を護ってくれたことだよ」 え…? 「いや…あたし逆に沖田に護られてて何にも…」 「そんなことない。今日の里紅はカッコよかったぜ?」 にっこり微笑む土方さん。 あたしは嬉しさでいっぱいだった。 そして屯所へ戻ると、表には近藤さんや永倉さんたちがあたしたちを出迎えてくれた。 「2人ともおかえり。よく帰ってきたね」 局長の温かい言葉にジーンとした。 あたし何もしてないけどね! でも…無事に帰ってこれてよかったな。 「ただいま!」 いつの間にか… 新撰組があたしの帰る場所になっちゃったな。
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