第6章 Preparedness to die

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え、ちょっと…? 「沖田!?」 「…あ?」 沖田はあたしの呼びかけにめんどくさそうに振り向く。 「まさかこれから稽古する…なんてことないよね」 「…しちゃいけねぇのか?」 お前はバカかーっ!!! あたしは沖田に走り寄り腕をガッチリ掴んだ。 「おいっ!」 「バカ!! 傷口開くぞ!? ぐちょぐちょになって膿んじゃってもいいの!?」 「気持ち悪いこと言うな!! 別に俺が平気なら平気だろ」 「平気なわけないでしょ!」 数日間は絶対安静だっつの!!! 「とにかくダメ!! 寝てなさいアンタ!」 「はあ!? 暇だろ」 「ならあたしがしりとり一緒にやったげるから!」 「誰がてめぇとしりとりなんかするかっ!!」 あたしは無理矢理沖田の腕を引いてとりあえず稽古場から離れる。 全くこいつは…。 頭に剣しかないのか!? 「…じゃあ暇ならさ」 「ん?」 あたしは沖田の腕を握ったまま沖田を見上げた。 …出会ったばかりのときには絶対見られなかった 自然な沖田の表情…。 少しは…沖田に認めてもらえたのかな……? 「あたしの稽古見てよ!」 「…文句、罵声を覚悟の上で言ってんのか?」 「…あ、あたしの完璧な剣術に文句なんてあるわけないでしょ!」 ひ、ひるむなあたし!! 確かに自信はないけども…!! ………。 「…やっぱ遠慮しようかしら…」 「今更遅ェ。ほら行くぞ」 「うぇぇえ!? 止めとくってば!! どうぞ1人で稽古でもなんでもしてきてください!」 「お前さっきと言ってること違ぇぞ!!」 だって沖田ボロクソ言うじゃん絶対…!! 「あっ!!」 「な、なんだよ急に…」 「あたしこれから朝ご飯だから! じゃねーっ!」 「あっ、おい!!」 山崎さんがあたしを待っているから行かなくてはっ! どうしよう。 毎日が楽しくなってきた! あたしはスキップで部屋に向かった。
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