第7章 さよなら…?

3/20
前へ
/503ページ
次へ
―… 「茶菓子…茶菓子~♪」 たくさんの人で賑わう商店街をあたしは1人上機嫌で歩く。 安い茶菓子を買って 浮いた金はありがたく使わせていただこう!! あたしがお手頃な値段のお菓子を探しながら歩いている時だった。 ―ドンッ!!💥 「きゃっ!! ちょっ…と!?」 ―ダダダダダ…!!!! いきなり誰かがあたしに突っ込んできて そして謝ることもなく走り去って行ったのだ。 もう…何なのよ。 「……ん?」 あれ…沖田からもらった小袋なくね? あれ…さっきまであたしちゃんと持ってたよね? あれ…もしかしてもしかしなくても盗られた!? あたしは先ほど走り去って行った男の方を振り返る。 男の姿は小さいがまだ目で見ることができた。 「待てコラー!!」 あたしは着物の裾を持ち上げて全力疾走。 はしたないとか言ってられないよ!!! だってあのお金… 余ったらあたしが使うんだもん!!! しかしあたしがいくら走っても男に追いつけるわけもなく、距離は開いていく一方だ。 「引ったくりー!! 誰か捕まえてぇ!!」 あたしは声を張り上げた。
/503ページ

最初のコメントを投稿しよう!

701人が本棚に入れています
本棚に追加