第1章 …落ちた

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―… 「はっ…クシュン!!」 「……」 えーとですね…。 井戸に飛び込めば悪い夢も覚めると思ったのですが…。 あたしは今も夢の中のようです。 井戸に飛び込んだのはよかったものの、夢は覚めないし溺れるし…。 また新撰組に助けられて捕まるし。 …今は取り調べみたいな…状況です。 広い和室にあたしを含め5人。 まず長髪を頭の後ろで結んでいる人が 新撰組局長様の近藤勇。 その右隣にいる茶髪の人は土方歳三。 局長様の左隣にいるのは 最初にあたしを井戸から助けた黒髪の人、沖田総司。 そしてあたしの斜め後ろに座っているのが山崎丞というひとらしい。 いやぁしかし…。 じっくり見るとみなさんイケメンでございますねぇ。 って呑気なこと言ってる場合じゃなかった!! …状況的にあたしは敵のスパイだと疑われているらしいです…。 「誰に雇われた?」 局長が屈託のない笑顔で爽やかに尋ねた。 「あたしスパイじゃないです。高校生ですただの」 「す…ぱい?」
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