第7章 さよなら…?

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あたしのその言葉に男の人はすごく驚いた顔をした。 でもすぐにクスリと笑って…。 「うん。どうぞ」 「♪」 あたしは草履を脱いで着物の裾を上げて河に入った。 冷たくて気持ちいい…! 水の流れる感触を楽しんでいると、遠くに小さな魚がいるのが見えた。 …食べられるかな!? 「…行儀が悪いってよく言われない?」 男の人は河原に座り遊んでいるあたしに向かってそう尋ねた。 うーん…。 「言われますけどもう慣れました!」 例えば学校で… 集会の時スカートにも関わらず体育館でオッサン座りとか ついつい扉を足で…みたいな。 友達によく指摘されたなぁ! 女の子でしょっ!ってね。 「…毎日は楽しい?」 「はい! ムカつくことも大変なことも多いですけどね!」 「…そっか…」 その時頭に浮かんだのは新撰組のみんなのこと。 ばか騒ぎする土方さんや永倉さんを沖田が厳しく注意して…その様子をいつも優しく見守ってる近藤さん。 みんながこんな人たちだなんて全く知らなかった。 そして思ったよ…。 もっと、あたしは日本の歴史を学ぶべきだって。 今まで正直興味がなかったんだ。 江戸も幕末も…侍とか武士も…。
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