第7章 さよなら…?

7/20
前へ
/503ページ
次へ
でもこの時代に来て、みんなと一緒に暮らして、共に戦って…。 あたしはまだ未熟だから みんなの言う侍の美学は理解できないけど… 別に否定をするわけではなくて、尊重はしていきたいと思ってる。 でもやっぱりあたしは、最後まで諦めずに生きてほしいと思うんだ。 「…俺はあんまり楽しくないかな」 「え…?」 あたしは足を止めた。 男の人の顔が…すごく哀しそうだったから…。 「…どうしてですか? 仕事がうまく行ってないとか?」 あたしは河から出て男の人の隣に腰かけた。 「…いや…そうじゃないんだけど…ね」 「…悩みとかあったら あたしいつでも話聞きますからね!」 「…」 あたしが微笑むと男の人はジッとあたしの瞳を…心を見透かすように見つめた。 「…優しいね」 「え…いや…そんな!」 ふんわりと微笑む男の人にあたしはついつい赤くなっちゃって… それがバレないように顔を反らした。 「里紅…」 「え…っ…」 男の人はそっとあたしの頬に手を当てた。 冷たくてゴツゴツした手で優しく頬を撫でるようにする。 「…俺と……」 小さくそう呟いた瞬間……。
/503ページ

最初のコメントを投稿しよう!

702人が本棚に入れています
本棚に追加