第7章 さよなら…?

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「里紅ッ!!!!」 「!」 いきなり聞こえたあたしを呼ぶ声にあたしは驚いた。 ふと声がしたほうを見ると少しはなれたところに息を切らした沖田が立っていた。 沖田は怖い顔をしてこちらを見ている。 げっ、茶菓子買わずに遊んでるところを見つかってしまった! 「沖田! 茶菓子はこれから買いに行こうと思ってて…!」 あたしはバッと立ち上がりアタフタと抗議をしようとする。 しかし沖田の表情は険しいままだ。 「今すぐそいつから離れろ…!!」 「は…!?」 あたしは固まった。 もちろん沖田の言ってる意味も分からなかったけど、それよりも… 沖田が刀を鞘から抜いたことに あたしは驚いた。 「何…してんの…?」 あたしは恐る恐る沖田に尋ねる。 沖田の視線はあたしではなく…隣の男の人に向かっていた。 「おい里紅聞いてんのか!!」 「き、聞いてるけど…」 ちょっと待ってよ!! なんで…なんで。 あたしが意味が分からずにいると、沖田は少し離れたところから刀を男の人に向けた。 「ちょ、沖田!!」 あたしは男の人をかばうように前に立ち塞がる。 「何してんだテメェは!!」 「それはこっちの台詞だよ! 茶菓子買うついでにたまたま会って話してただけで 悪いのはあたしだから!!」 この人は悪くない!! てか助けてくれたの…!! 「お前…そいつが誰か知らねぇのか…!?」 「え…」
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