第7章 さよなら…?

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沖田…知ってるの? 「里紅…」 すると今まで黙っていた男の人が静かに立ち上がり あたしをひたと見つめた。 「俺の名前教えてあげるよ」 「え…」 「…俺は…… …高杉晋作だ」 「…」 夏の生暖かい風が吹いて草木をサラサラと揺らす。 「へぇ…高杉さんって言うんですか!」 「「……」」 あたしがニッコリ笑うと高杉さんも沖田もポカンとしてあたしを見つめた。 え…何この空気…? 「ばっ…馬鹿かオメェはッ!!!!」 「ひぃっ…」 そ、そんなに怒鳴るなよ沖田…。 何をそんなにイラついてんだか…。 「高杉晋作っつったら有名な反幕府軍の浪士だろうが!! この前の辻斬りの件も、裏でそいつが手引きしていたので間違いない!!」 「…え…?」 あたしは耳を疑った。 この人が…攘夷浪士? …近藤さんの命を狙った……。 「…嘘!!」 「誰が嘘なんかつくかよ!! いいから早く離れろ!!」 嘘だよ…!! だってこの人…。 「高杉さんあたしを助けてくれたもん!! 2回も!!」 「んなもんお前に近づくための策略だろ!!」 「そんなことない!!」 「もういいよ…里紅」
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